詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
の土台において
立ったまま
ぱっぱっと
その小石を落とした
片方の靴のかかとから
ぼくが見つめているのに気づくと
とても恥ずかしそうな顔をして見せた
そうだ
あの娘の表情も
けっして忘れはしないと
ぼくは、こころに誓ったのだ
優ちゃん
真っ赤な麦藁帽子と
白い薔薇模様のワンピース
だけど、あのときの靴の色は忘れてしまった
真っ赤な麦藁帽子と
白い薔薇模様のワンピース
これは覚えているのに
あの娘の恥ずかしげな顔とともに
だけど、あのときの靴の色は忘れてしまった


二〇一四年十三月四日 「風景は成熟することを拒否する」


皮膚にまといついた言葉を
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