詩の日めくり 二〇一四年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
雲があらわれたのか、にわかに空がかち曇り、突然の嵐のように風が吹きすさび、大雨が降りだしたのである。イエスが雨に濡れた顔を上げて、何か叫んでいた。聖書にある言葉だったのであろうか。でも、その言葉ではなかったような気がした。

二〇一四年十二月二日 「かさかさ」

 後ろで、かさかさという音がしたので振り返った。すると、かさかさという文字が壁のうえを這っていた。手でぱちんと叩くと、ぺちゃんという文字となって床のうえに落ちた。

二〇一四年十二月三日 「シェイクスピア」

 ウルフの『自分だけの部屋』を読んでいるのだが、たしかにまっとうな見解だとは思うものの、ちょっと古いなあと思われる
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