Want it./ホロウ・シカエルボク
に役目を果たし続けた、不愉快な気持ちはなくはなかったが、動きを止める理由を不愉快のせいにするには少々歳を取り過ぎていた、簡単に言えば、自分が死ぬのでないのならなんだってよかった、そこにいた誰のことも俺は知らなかったし、難しく考えることなんかなかった、落ち着いて仕事を進めないと逆に殺される可能性だってあった、俺が手掛けた何人かはそういう思いを秘めた目のままで光を失っていった、蛍光灯は眩いほど煌々と輝いていたのに、時々ちかちかと目の中で何かが点滅した、俺はそれを断絶だと考えた、俺の中でなにかしらの断絶が行われているのだ、殺しに抵抗などなかった、まして、どこの誰かも知らない相手を殺すことなど…都合がいい
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