リバイバル/直治
 
めている
わびしい胸抱いてまたも眠れない
さみしがりやをこの胸に飼い日夜明けている
窓にうつる不格好な私でこれしかない
ぬるい珈琲と少し歩いて瞼重くなる
ちぎれた雲のすき間になんべんも光さす
歩くごと瞼に水がたるんで帰ることにした
窓の灯りに昨日がまだ残っている
ひとときの雨にずぶ濡れの格好で居る
帰り去る人たちばかりで誰も声がない
はやばやと家路に就いて小さな淋しさが淀む
軋る心を抑えつけ喫茶店明るい顔している
ショッピングモールの涼しい喧騒にひとり
拾われて帰るしかないバスの無言
ひとりの夜が秋深くなりゆく
夕焼けに何者でもない私が横切る
折れた心に幾度となく夕
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