秋の爆撃(自由律俳句)/道草次郎
 

ごめんというがいうだけの曼珠沙華

液体のよう月日(げつじつ)無碍ながらも初秋

薔薇の顔は神の刻限にはや棄てた

空をみてそらに対峙できずに

きづいたら何も無く泥だまり。花

どうしても。どうしようにも蓮の華

このみちのくらさはくらいかと問う月もなし

鬼に取りいる血の池の夢と朝飯何食わぬ

蟋蟀(こおろぎ)鳴かなくなり残夢

幽霊よりなま身なまなましくうらめしや

積読本枕にもならず歯でちぎる食む

貧乏ゆすりが知らず乗っ取る夜半(よわ)

こうこうとつき痘痕(あばた)も月

探されものの心地になり赤蜻蛉

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