秋の爆撃(自由律俳句)/道草次郎
 


ひかりのなかでひかるほどに黒く烈烈

池に落とさず拡がらず波紋は

事事が賽の河原の塔のいし

鯨として座礁死夢だか現(うつつ)だか

ヒカリゴケに観察者絶無もはや思想史

葉脈の空想か思想か判らぬ夕栄

あの虫の音に添ってそいはてて朝の芝

露となるものつゆとなりたがらず霧

歩きながら思い出しながらあるくになれ

眠いならねてみるねてみている自分はいず

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