サクマ/hayasakaakira
 
の土が冷たくて湿っていたので二人は月の下でキス視線なんか交わさない堤防の向こう側にトラックが走った会話なんてしない赤く鉄臭いヒフを徐々に下へくだってデタラメにひどく寒い中ひどく長い間そうして
輸入されて捨てられたミンクが、草むらを走り抜けた

それからわびしい冬の
夜明け前のプール堅い底に寝そべる
ひびわれた青いホースをくわえ白い息を吐くと
たなびく吐息の向こうに先の先まで見通せるふりをした朝日が顔を出しそうで
、、、
つくづく残念だった隣に寝ているこいつに流れる、自分のとは違う血
白く、下書きみたいに足りない表情
共鳴しようとすると無視する冷たい視線

遠ざかる
明け始
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