乱反射する生の所在地/ホロウ・シカエルボク
にすることは無いと思っていた、だけど現象はいつだってままならないものだ、ずっと眺めていたつもりだったけど、もしかしたらひととき目を閉じたかもしれない、大人しい景色は狂気を孕んでいるものだから、なにを言っているか理解出来ないって?表面化したものはすべて現実でしかないじゃないか、それは感じ取るものではない、受け止めるしかないようなものだ、誰かが口を閉じた瞬間こそが最も言葉に満ちているものだ、ざらついた床の上で鈍い光を放つ硬貨を見つけて拾い上げる、そうして埃を払うとそこに記された数字は希望について話しているみたいに見える、沈黙があるからこそ成り立つ、そんなものがきっと本当は役に立つ、小便にたって生温い水
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