短歌そのた置き場/朝倉キンジ
 
また接続するんだねえ)
さっきまで一緒にいた人さえ
いまは ずっと遠くだ
もう2度と会えない
この現象界の裏側が
こんなに暗いものだったとは
(ずっと遠くから 口笛がする)
(ぼくの声がきこえますか) 
たとえ生命の回路に捕らえられ
さびしい光をあげるという
反応のなかであっても
何か互いに合図を送れるならば
それはたしかに起こったことだ
(ただひとつのほんとうだ)
そして この暗い空には
昔大きなひとが座っていた場所が
いまだ痕跡として残っており
そこからおかしな呼び声が
どんどんきこえてくる


  ?
 
 夜に待つもの


-夜

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