思えば、出口なんてイデーをはっきりそれと認識したのは/ホロウ・シカエルボク
されてそこにそうしているような感じだった、記憶喪失などではない、名前はきちんと思い出すことが出来た、でもそれだけだった、このままここに座っていていいのだろうか、良いも悪いもないから逆に好きに動き辛かった、けれど、こんなときに選択するのは動かないよりは動いた方が良い、動かせるものがあるのなら動かしてみた方が良い、そう考えて立ち上がった、立ち上がると軽い眩暈がした、ずっと座っていたせいなのかもしれない、それともあまり健康状態がよろしくないのかもしれない、だとしたら、ここは本当に病院なのかもしれない、それならば、手始めに手近なドアから開くかどうか試してみるべきだろう、ノブを握り捻って引いてみたがドアは開
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