幻日逃避光/あらい
 
い、 奔流ををひたかくしに 傾いたまま、あめだまを転がして、しゃぶって、亡くしている。

 土気色の模様、海図の秘蜜。モノクロで縦割れに洗われる併せ貝に眠る琥珀蝶を呼び覚ます。
 巣立つ羽根 必死に震わせて、とうになく、
 漫画みたいなひとまくにオチるのが常か
 残照に連れてズレは季語を求め、けれど 灯前の明かりが行く道だけを指して 私がフラフラと落ちていく先は、どこに向かうでもなく決められた首を絞めるつける 。

 日溜りは滑稽でも願えば至る虚構の穴に落ちかけていく。
 空を打ち付ける緞帳は螺子がとれかけた結果、聖典墨灼けの茹でた垢蛸が青臭くなる。 などとさまよいこむ幽魂
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