幻日逃避光/あらい
には気づくものもいない。
だれもかれも今知ら占める眼前の高揚に酔って、 出逢いなど時の運に苛まれて流されていくのだ。
箔金の調べ、ひとところの甘糸。奏でるは嬌声、
愛が欲しいと奪い合う現実 全ての苦しみや悲しみが 消えされるように 単純であるかな絡繰りピエロはそれでも 愚かにも其のひとときの愉楽をいただくために 生命を継ぐと悟りても滑稽に嗤う 意図は確かに繋がれているか確かめることもなく、当たり前に気付かないばかりに 築かれていく この小さな心の安堵は 誰にもわからない静謐な箱にしまわれるばかり。
思い焦がれても必ず亡くなってしまう 消耗品の今、私達の魂は互いに求め喰らい、
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