手探り/あらい
雨は降りもしない。
強がっているのか、なんて表面はかたいガムみたい
如何わしい黒板を引っ掻いた、蝕まれた歯ぎしりが、
白々しく隠された朝日と共に潤みだす月光に罪を被せ
眠れない花火は夜通し打ち上がり
渚に差し込むマッコウクジラの背には、今、
発芽したばかりのカノジョが、わらいかける罪だ
季節の繋ぎ目を、知らないだけの世界の裏側にて
クロスステッチは生み出される。何度でも過去に戻す。
川のせせらぎに返還する、てふてふと魅せる紅葉が跳ねる
みながあいしてやまない、モルフォの眼光を紙幣に透かして
宝剣を 奪い合う、さだめとも、あたまがいたい。
天地が兆しを致すと
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)