現実だってたぶんまじないみたいなもん/ホロウ・シカエルボク
 
に三度、立て続けに事故に遭ったんだ、まるで呪われてるみたいにさ、一度なんかどこかの家に突っ込んでさ、右脚にはその時処理出来なかった硝子の粉がいまでも閉じ込められてるはずだよ―その次のは酷かった、左脚の膝関節上部がグズグズになってさ、もし事故直後に歩いてたら左脚がほんの少し短くなってたらしいよ、おかしなもんだね、痛みはそんなになかったのに、俺絶対に左脚を下ろさなかったんだ、ああいう時って本能で察するんだろうな、三ヶ月感ギプスで過ごしたよ、固定されたままだった脚はほんの少し細くなってた、あっという間にもとに戻ったけどね…ああ、なんだかつまらない思い出話になっちまった、人生が更新されていないわけじゃない
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