現実だってたぶんまじないみたいなもん/ホロウ・シカエルボク
 
った自分の過去を聞かされて、それ本当に俺か?って聞き返すときあるだろう、そんな時教えてもらった自分の絵は、いつまで考えてみても自分そっくりな姿にはならないはずさ、まあ、どうでもいいことではあるけどね、なんだか今日は救急車の音があまり聞こえないな、大通りに面したこの家じゃ、ひっきりなしに路面電車と救急車の音がこだまするものなんだが…まあ、たまにはそんな日があってもいいのかもしれない、救急車の中でなにが起こっているのかなんて、外に居る連中には分かりはしないものだしな、ああ、人生で何度か、救急車に乗せられたことがある、一度は病気で、あとは全部交通事故さ…滅多に事故に遭うことなんかないんだけど、ある年に三
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