寄生虫の頭を捕まえて喉から引き摺り出す/ホロウ・シカエルボク
 
ぎる立看板、こいつを立てたのはもしかしたら、ここに最初に猫を捨てた誰かさんかもしれないぜ、誰だって自分の落度は躍起になって塗り潰そうとするものだ、無邪気な子供らが遊具で遊んでいる、連れて来た母親までが無邪気過ぎる、純粋な心は子育てには向かない、暢気な殺意がここいらじゃ充満してるっていうのにさ…公衆便所は煙草の臭いを換気出来ない、個室のスライドロックにまで染みついてる、昔ここで死体が見つかったことがある、もう知ってるやつはあまり居ないかもしれない…俺たちはひとつじゃない、自分のことすら記憶の彼方に追いやってしまうのに、余所事なんてそんなに覚えていられるわけがない、記憶は使い捨てられる現在、だからまた
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