寄生虫の頭を捕まえて喉から引き摺り出す/ホロウ・シカエルボク
 
また同じことを繰り返してしまうんじゃないのか?枯れた街路樹のそばで噴水がべらべら喋っている、捨てられた炭酸飲料の空缶が恨み言を閉じ込めている、空は夕焼けに染まり始めている、あの、水増した血のような赤の意味を教えて、本当の夜が訪れてしまう前に、俺は知らぬ間に足早になる、夜の中には子供の頃とは違う怖さが隠れている、生き続けようとするものほど臆病になる、銀行の時計が執拗に現在を主張している、メイン道路は一秒でも早く作業着を脱ぎたい連中のクラクションの交響曲だ、ただし、誰も音譜通りに鳴らすことは出来ない、カラスが思考を切り裂くように飛ぶ、街路に溢れる食いものを探しに行く時間なのだろう、愚かな生きものたちの始まりはこれからさ、そうとも、この車の列がすっかり、狭い駐車場でため息をついたらね…。


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