空舟は 希望する(うつおぶねは きぼうする)※改稿版/こしごえ
 
母の母の母の母の母の母になる
心音を聴いて
私は、生まれた。
昼下りの大きな通りの風に風鈴屋の姿は 消える。
この体は宇宙の一部で、
この魂が私のいのちだ、という言葉を選んだのです。


そよぐ千草(ちぐさ)


すべてを残らず知ることはできないし
知らなくていい物事があるけれど
私は、雲影を繰り黙読して この悲しみと帰った
さまざまな 心音がする闇に。
忘れられない 忘れられないのならば
忘れられない物事と共に生きて行き 忘れられない物事を こころの糧にしよう
そう なにが災いするかわからない代わりに
なにが幸いするかわからない
あきらめないこととあき
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