この街の壊れた玩具たち/ホロウ・シカエルボク
哀れなキャデラックの通りを隔てた崩れかけのアパートのロビーにいた、あのヤンチャな坊やからは見えない、明かりの消えたロビーにさ…そこに住んでいるわけじゃない、ただほんの少し、雨を避けるつもりで潜り込んだだけさ、そして、慎ましい破壊を見ながら、それはどこに向かうのが一番幸せなのかって考えていたんだ、あの、キャデラックがいま身に染みて感じているような、外に向かう破壊と、内なる破壊のどちらが―爽快感は外に向かう方があるのかもしれない、でも幾度か繰り返せばそれはきっと、ルーティンワークみたいな無機質な感情へと変わるだろう、俺のスコープはいつだって俺の内側へと向いていた、俺が突き刺したいものはいつだって、ナイ
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