空瓶/ホロウ・シカエルボク
 
だった
俺は興奮して喚き散らした
意味のない、どうでもいいようなことを
独房は好きだ
ここにはなにもない
俺にしっくり来ている
どれくらいの時が経ったのか
少し無駄肉が気になり始めたころ
どうやらもうすぐらしいという雰囲気が伝わってきた
皆隠していたけど
俺にはなぜかはっきりとわかった
俺は映画を見るみたいにそんな毎日を生きた
やがてその時が来た
何か食いたいものはあるかと聞かれて
お前らが飲んでるコーヒーでいいと答えた
食ったって仕方がないのだ
俺は紙コップのコーヒーをすすり
牧師がなんやかんや話すのを聞いた
牧師は自分の意味を疑問にも思っていないみたいに見え
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