空瓶/ホロウ・シカエルボク
 
まるつもりなんてなかったけど
まあそんなことはどうでもよかった
自分が自分を憎むくらい
いろんなやつに憎まれながら死にたかった
だから幼いうちから
くだらない人間になろうと決めていた
母親を殺した
十歳になったばかりの時だ
階段から突き落として
みんな事故だと思った
俺の仕業だなんて誰も考えもしなかった
父親は勝手に死んだ
どこかの野っぱらで銃口をこめかみに当てて
孤児院では喧嘩を繰り返し
あっという間に追い出されては
別のところに連れて行かれた
何度か盗みで捕まってからは
施設だの鑑別所だのと
薄汚い施設を渡り歩いた
何人かが俺とつるみたがったが
俺は仲間
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