空瓶/ホロウ・シカエルボク
逃げてしまい
あっという間に囲まれてホールドアップされた
公にはされない暴行を受け
おざなりな裁判にかけられた
「死刑にするべきだ」みんながそう言った
もちろん俺の弁護士以外はということだけど
それから長いこと
独房で生きていた
朝起きて、飯を食って
散歩をして、作業をして
昼飯を食って、中庭でだらだらして
誰かの喧嘩を眺めながら夕食を取り
暇潰しのお祈りをして
眠くなるまで本を読んで
存分に眠る
そんな一日を
気が遠くなるほど繰り返した
まだ殺されないのか
時々はそんなことを思いながら
俺は
自分が憎かった
自分を酷く醜いものにして死にたかった
捕まる
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