空瓶/ホロウ・シカエルボク
あの年の十月
酒場で知り合った
ヤギという男と二人で
ミシシッピ・ワンの合図でショットガンをぶっ放した
ホリデイで賑わう
陽の当たる大通りで
男も女も、ポリスも子供も
血を吹いてぶっ飛んで
ズタ袋みたいにそこらへ転がった
時々
わざとすぐに引鉄をひかずに
散々命乞いをさせてから殺したりした
あの時
あの瞬間
俺たちは
大勢の運命を握る神だった
たった二丁のショットガンで
どんなやつの運命も思い通りだった
弾はたっぷりと用意してあった
軍隊が来るまでは持ちこたえられるくらいに
五十人近い数をぶっ殺したとき
僅かの油断でヤギが眉間を撃たれた
俺は動揺して逃げ
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