17歳 砂に何を埋めた?/瓜田タカヤ
、俺達を追いかけてきた。
原動機付き自転車ごときに負けるかよ!
とでも言わんばかりに
パトカーのエンジンが吹いている。
俺達は人通りも車も一切無い、桜側通りを
観光通り方面へと逃げ出そうとしていた。
午前4時 空は明け始め、空気が冷たくしなっていた。
桜並木の薄いピンク色の花びらはまだ咲いていない。
太陽の暖かい季節にはまだたどり着いていないのだ。
逃げてすぐだった。
余裕でパトカーが原チャリに横付けされた。
速度的にかなうわけがないのだ。しかしその時だった。
橋を渡る時だった。
橋と対角線上、川縁に沿う狭い道を見つけた。
その道は車一台が通るのにやっとで、
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