Astronomy club/AB(なかほど)
 
を乗り越え眠るころ
僕は一握の詩の前で童貞のままで
国際色の喧騒にしがみつきながらも

同じ月の夢に 
ニャー
   と哭く



5

もう切る指をなくしてしまったらしいので
嘘つきなのは僕のほうだよ
と嘘をつく

琴座の一辺を二倍伸ばした線上に
糸切りを持った君がいて
約束、と言いながら弦を張り替えているとか



6

ここのプラネタリウムの寝心地は格別で
やがて40分の夜が明けて
おはようって言ってみるのがいい

眠りにきたの?と訊きながら息子は
小春日和の堤からふんわりロケットを発射する
それはあまりにもゆっくりと静かなのだけれ
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