すべての世界はつながっているというのに/いとう
 

よくわかんなくて
だからこそ
彼女は僕の前に現れるんだろうけど
でもね
あけみ
本当に
確実に

死んだら安心できるのかい?
死んでも独りぼっちなんじゃないのかい?
僕が与えたその悲しさと寂しさとやるせなさは
君にそのまま貼りついて
離れないんじゃないのかい?


        僕が彼女を忘れられないように
           それは確かな事実として


雑踏の
僕の視線の彼方
彼女の頭だけが見える時があって
立ちすくむと
頭だけが近づいてきて
怖くなって
目を閉じて
すると余計に
近づいてきて

「こっちにくれば 安心なんだよ」
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