すべての世界はつながっているというのに/いとう
 
よ」

耳元で
そんなふうに

「こっちにくれば

あけみは
         安心なんだよ」
なんども
         安心なんだよ」
囁くけれど
         安心なんだよ」

あけみ
君はそんなにも不安なのだろうか
君はそんなにも寂しいのだろうか
今も
そして
これからも
僕の世界と
君の世界と
自分自身で線を引きながら

君はなんだか
死んでからのほうが饒舌で
死んでからのほうが
僕と深く
こんなふうに
深くつながっているというのに


       僕が彼女を忘れたくないように
          それは確かな事実として




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