陽炎のような真実の重さを/ホロウ・シカエルボク
きそこに名前を刻むことにした、はじめは呟きのようなささやかなものだったが、だんだんとそいつは覚えてきた、いきもののように成長してきた、自分が求める場所へおれを誘うようになった、おれは手を引かれるままに歩き、さまざまな現象を目にした、こんな遊びを覚えることがなければおそらくは無自覚に見過ごしていただろうさまざまな現象を、開かれたもうひとつの目で見つめ続けてきたのだ、それはおれに真実の在り方というものを教えた、真実とはつまり、そこにそのまま存在している現象そのもののことだ、それ以外のものは妄想や想像や勘違いや後付けに過ぎない、けれど、真実とはそのとき目に映っているもののことではない、形状ではない、存在
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