いのIDIOTmethodうのいほう/竜門勇気
 

後ろを振り返ると踏みにじられた足跡がここまで並んでいて身震いをする
痕跡のどの一つにも優しさなど思い至らない人物が鼻息荒く地団駄を踏むように歩いてきたことがわかった
一つ一つの崩れた土の粒が私を責めているようだった
一粒一粒の粒子が口を歪めて罵倒しているのが見えたし、聞こえた
”なんてことだ!愚かなものはゆったりと歩く!俺らを痛めつけるのが愉悦の限りとでも言いたげたぞ”
私が赤面していても粒が口をつぐむことはない
”見ろ!愚かなものは恥じている!なぜだ?愚かであることを知らなかったからだ”

この空欄に於いて私は十分な素質を持たなかった
素質は無為を許さなかったので、その罪
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