いのIDIOTmethodうのいほう/竜門勇気
の罪を投げ、その罰を振るい、狂った時計で時を聞きながらあとどれだけで開放されるか嘘っぱちを言いました
私に訪れたものは感覚の無為の実感であって、いかなるそれ以外の異観では無くて
実感として得られた私の感覚の消失が齎した空間を感じる気持ちでありました
高い窓などに顔を覗かせて不愉快な気分を空気に馴染ませ流していることこの時間は
何者にも替えがたい実感の時間であって何者かによって遮られることは耐え難い
例えば、すべてのこの星の生き物がその死に際に明るく輝くと仮定しても
太陽よりも激しい明かりに包まれて私は二度、まばたきをしてけだるげに眉をしかめる、
その程にしか心は動かされないし、歓心を誘うこともないのでした
冷たく肺に動く重たいヴァイオリンの音ならばあるいは目盛りをあまりに沢山刻みすぎたシリンダーの中のガリウムのように
ゆったりと優しくガラスの内側に伸びていったでしょう
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