妙に冷めた口をきくやつらばかりだ/ホロウ・シカエルボク
だと俺は思うだけだよ」大蛇は首を横に振る、「肉がつまらないということは心がつまらないということだよ」、俺は仏頂面を作って見せる、「あんたはそんなに腹が減ってないんだよ」「空腹ならどんなものでも食うだろ」、蛇はチロリと一瞬舌を覗かせる、「舐めてもらっちゃ困る」「生きているものを食うというのはそんなに単純なことではない」「お前だって本当はわかっているのだろう、俺が何を言っているのか」「俺は野性の生きものじゃない」「自分の肉がつまらないだろうことだって十分理解している」「ただそれでも生きて行こうとするのが人間という生きものだってことさ」「嘆かわしいな」大蛇の言葉に俺はまた肩をすくめる、「俺たちはずいぶん
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