入口で遊ぶのはずいぶん昔にやめたんだ/ホロウ・シカエルボク
した言葉の海の中に飛び込んで、その中からあとに続くフレーズを見つけていく、葉を拾うように、木の実を千切るみたいに…そのとき、自分が飛び込みたいイメージというのがだいたいあって、それは最初の数行ほどでぼんやりと見えてくる、そうしたらあとは指先が踊るのに任せておけばいい、俺は古い降霊術のようにぼんやりと書きつけていくだけだ、降霊中―そうだな、おそらくは俺の霊魂のみがそれについて語ろうとしているんだろう、だって俺は書いている間、自我というものをほとんど感じていないもの…なにか違うチャンネルがあって、書き始めるとそいつに切り替わるんだ…霊魂、といっても肉体の中に居るものだから、そいつは肉体のリズムで言葉を
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)