入口で遊ぶのはずいぶん昔にやめたんだ/ホロウ・シカエルボク
 
要なことだからだ、俺はそれを理解していない、ずっとその断片を知り続けているだけなんだ、ねえ、いいかい、言葉には意味をたくさん含ませる方が面白い、たったひとつの意味しかない言葉なんて面白くない…もちろん俺にとってはという意味だよ、勘違いしないで欲しい…そして、その、幾つもの意味を含んだ言葉を使って文章を作ると、意味の森が出来る、その森は人を試す森だ、こんなものには意味はない、読む価値がない―そう言って片付けるのはいちばん簡単だ、でも俺は、えてしてそういう人間には何の興味も湧かない、そんな人間はどいつもこいつも、同じようなことばかりを話すからさ―たったひとつの意味しかない言葉をね―俺は自らが吐き出した
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