砂の中のスイム、充血した水晶体、それから脈絡のない明け方の夢/ホロウ・シカエルボク
け話すことにした、不快?痛快?どのみちこちらには関係のない話、ただひとつひとつ、空白を隠していくだけ、けたたましい子犬の鳴声、眠りの準備を始めた街角の短めのディレイ、上手に打ち鳴らされる硬度の高い金属みたい、星空にはいつも帰り道がある、失礼、もう一度繰り返してください、覚えられないのはきっと違う居場所を求めているから、いつもの角のいつもじゃない道の先には、見慣れた場所よりずっと新しいものばかり、そんなことを誰もが考えているからあちこちの軒先に行列という名の生きものが生まれる、誰かの背中を見つめ続けることにどんな種類の葛藤もしない人たち、群がる影の多さが価値観を構成する、残された皿や売れ残ったシャツ
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