砂の中のスイム、充血した水晶体、それから脈絡のない明け方の夢/ホロウ・シカエルボク
 
ャツなんかが、味気ない処刑のようにどこかへ姿を消す、幻想の大量生産、ヒット曲は宿題のドリルみたいに優しい、名前も知らない汚れた股間の触れ合いの後ろで、そんな音楽が延々と垂れ流されている、まどろっこしい、たった一度のやりとりでは決して伝わらない、そんな懸命さはもう愛だと呼ばれなくなった、泥だらけの様々な性器が、オリコンチャートの傘をさして真剣さを笑っている、ライブハウスのリハーサルの振動音、それは、ただのボリュームじゃないって、まだどこかで信じたい思い、叫びを信じる、欲望を信じる、おいそれとは手に入れられないものこそを信じる、血の高ぶりを信じる、鼓動の鳴り方を信じる、踏みつける地面の熱さと冷たさを信
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