無数の血膨れの夜/ホロウ・シカエルボク
 
消えて行った…時々、そう、ほんの時々だが、何を壊しているのだと思うことがある、俺が生きるためのこの破壊は、もしや俺自身を壊しているのではないのかと―俺自身の構成をほんの少し壊すことで生き永らえる、いわば延命措置のようなものではないのかと…それならば、その繰り返しによっていま生存しているこの俺は、いったい何者なのかと…それはまるで無駄な問いのように思える、あれはこれだと定義することにいったい何の意味がある?断定は自己満足に過ぎない、俺は俺自身の行き先を知りたくて懸命に目を開いているに過ぎないのだ、けれど、でも、その問は時々、静観出来ないほどの圧力を持って俺に伸し掛かってくる、お前が殺し続けているもの
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