無数の血膨れの夜/ホロウ・シカエルボク
ら見れば大事なものもあった、俺の目からしても必要だろうと思われるものだってあった、でも俺はそれを持っているわけにはいかなかった、それは俺自身を嘘に変えてしまう手続きの為のものだったのだ…俺は狂ったようにあらゆるものを吐き出した、吐き出しているうちにそいつらは、自分が望んでいるかたちを俺に語り掛けてくるようになった、それは言葉で、ではなかった、それはいわゆるテレパシーのようなものだった、やつらは、それを望んでいるのだというイメージを俺に投げかけてくるのだ、深夜のテーブルの上で…俺は過去に書いた詩を、声に出して読み始めた、脳内で繰り返されるイメージがひとつずつ、モニター画面が割れるみたいに砕けては消え
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