無数の血膨れの夜/ホロウ・シカエルボク
間の器に放り込まれた人間ではない何かが起こす誤作動なのだ、そうさ、俺は人間にはなれなかった、聖者にもなれなかった、人殺しにだって…そうして詩は溢れてきた、嵐の夜の鉄砲水のように―俺は吐き出すしかなかった、いつだってそうだった、それは己の為の調律だった、すべてが上手く機能するように、正常に働くように…俺はそれをやり続けることに決めた、少々窮屈な、制限された世界ではあったけれど、その堅苦しさは居心地がよかった、だから俺は、いつでもその部屋の中で死んでいた、何度も、何度も…言葉は激しく繰り返され、混乱を吸い取って行った、俺はその、自ら作り上げた暗闇の中へいろいろなものを投げ込んでいった、時には誰かから見
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