口元の汚れた八方詩人のしわがれたバラッド/ホロウ・シカエルボク
 
言ってくるべきじゃない、俺にとってお前と関わることには何の得もありはしない、御免被るよ…胡散臭い価値観を押し付けられることには俺はいつだってノーと言うぜ、それは根っ子のない木のようなものだ、いいかい、しっかり立っていられるのはお前の功績じゃない、どんなやつでもそれなりに立っていられるようにきっちりと仕上げられた地盤があるだけのことさ、勘違いしちゃいけないよ、お前が偉そうに話している幾つかの事柄は、交通標語みたいに街中に張り出されていることさ―それは蛇のようにのたうちながらお前の耳に入り込んで意識の層を食い破り、やがて脳髄に到達し、支配するんだ、お前が話していることは、さほど人生を生きていないやつで
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