雨は永遠のように降る/ホロウ・シカエルボク
 
っている
そういえば、二年前
すぐ近くで殺人事件があった
金が盗まれていたからそういうことになった
俺、殺された男の悲鳴を聞いた気がするんだ
静まり返った夜のさなかにさ
喧嘩かと思って耳を澄ましていたけど
それ以上どんな声をしなかった
なにかがおかしいって思ったんだ
そう思うには十分過ぎるくらいの声だった
あの時すぐに飛び出して探していたら
もしかしたら命くらいは助けてあげられたかもしれないな
でもそんなに大ごとだなんて思わなかったんだ

こちらからしかけたことはひとつもない
寄ってきた蝿を払っただけさ、いつもね
人生を無駄にしようと決めない限りは
面倒ごとはいつ
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