嘲笑的な薄闇の中で強制的に見開かれた目を/ホロウ・シカエルボク
たりに奇妙な痺れがある、耐えられないほどではないがなにか煩わしい、人生なんてそんな堆積の繰り返しさ、捨て鉢な冗談は虚無の薄闇で迷子になる、見知らぬ番号から電話がかかってきたのは午後の早い時間だった、それは二度鳴らされたが応答する気にはなれなかった、ただの間違いなのか、それともすでに途切れてしまったどこかへのアクセスなのか、あるいはいたずらか―いずれにしても関わりたいとは思わなかった、素知らぬ顔ですれ違うことばかり、俺はそれを誇らしいと感じて生きてきた、無駄な枝葉はどこかで摘まれるだけさ、必要でない通路には分かり易く看板を立てておくか路面を崩落させたままにしておけばいい、連中はそうしたものでしか判断
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