あの灰が零時になるとき/ホロウ・シカエルボク
かんと口を開けて
あんたは幸せだったのか
あんなに懸命に働いたのに
ろくな子供を残せなかったね
置き土産の安っぽい二階建てで
母親はやせ細って生きている
なぜ
どうして
なんのために
なんて
しなくてもいい自問自答を
繰り返すそんな時はとうに過ぎたけれど
それでも時々
ふとした瞬間に
そんな青臭さが
くすぐることがある
言ったろ
ひとは
歳を取るようでたぶん取らないって
結局のところ
ノウハウが増えるだけ
使える言葉が増えるだけ
嘘のように本当のことを喋ったり
あるいはその逆のことが
平然と出来るようになるだけ
なにかをわかっているようで
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