あの灰が零時になるとき/ホロウ・シカエルボク
 

結局はなにもわかってはいない
年老いてやせ細ったりぶくぶく肥えたりした醜い身体で
どうにか恰好をつけようと目論むばかりなのさ

おれはイカサマ野郎だから
歳を取らないみたいに生きる
それはつまり
年輪に囚われないで生きるということだ
人生という大きなくくりで言えば
生まれてから死ぬまでは
生きるということだけなのだから

新しい夜が始まり
新しい朝が近付いてくる
だけど知ってるかい
地球は
ただ
くるくる回っているだけなんだ

一日の終わりに鏡を覗いてみると
燃え落ちたはずの俺の表面は
何事もなかったみたいにすっかり元通りだった
あの激しい痛みはなんだったのか
でもおれは
それが初めてではないことを知っている


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