あの灰が零時になるとき/ホロウ・シカエルボク
 
手紙を書いた
どこに送ればいいのかもわからなかったけれど
そうしたくてたまらなくなったのだ
それで
いろいろな鳴声に
しっくりくる症状をあれこれと書き出した
春に死んだ
パンクロッカーの名前もそこに入れておいた
おまえは
向こうで彼に会ったかな?

天気予報は雨は降らないというが
空気はイラつくほどに湿気ている
眠るたびに居心地の悪い夢を見る
それは悪夢ということではなくて
なにかとても悪いものが隠れている
そんな予感に満ちているような何気ない風景というか
夢のあとの朝に立ち尽くして
おれはおれの現実に
腹を立てながら窓を開けるのだ

嘘や真実は
これと
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