ただ真夜中が流れ落ちていくだけの/ホロウ・シカエルボク
なのかというと、どれだけ目を凝らしてみても見つけることが出来なかった、確かに灯りはもう消していた、けれど、まるで目を閉じてでもいるかのような暗闇がそこにあるわけではなかった、夜行性のアナログ時計の針や、確実にどこかに接続されていることを知らせるルーターの小さなランプにより、部屋には瀕死の希望程度の光源が常にあった、でも俺は、その出処を決して見つけることが出来なかった、不可能である、という現実が示すものは、その式を解こうとする行為は必要ないということだ、だから俺はおとなしくそれを浴び続けていた、特別そうすることによってなんらかの変化があるわけではなかった、なにかに目覚めるとか、なにかを思い出すとか、
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