<詩「あるなんでもない日」、「白き神の抱擁」、「婚礼」、「カフェ」「君の来る日」、「山城合戦」、「冬.../タカンタ、ゴロキ、そしてパウロ
戦」
乱れし世も末なりけれども
山に小さき城ありけり
城主は無双の勇将にして一騎当千の兵なれば天下人の威令に服し参らず
右府大いに怒って、されば攻めよとて討手をつかわす
右府の軍、七日の卯の刻の矢合せと定めたりければ
七日のあけぼの、山の大手より二万余騎、
雲霞のごとくに攻め上れば
搦手より一万余騎、鬨をどつと合はす
城の兵どもいつの為に命を惜しむべきかと戦えども多くは討たれにけり
若狭介、さんざん首をとりて後、矢七つ八つ射立てられて立死にこそ死にけれ
さして、城は燃え落ちたり
しかれども、姫は夜陰にまぎれて逃げ落ちぬ
朝、冷たき澄みし空の下
姫は川の裾野の
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