<詩「あるなんでもない日」、「白き神の抱擁」、「婚礼」、「カフェ」「君の来る日」、「山城合戦」、「冬.../タカンタ、ゴロキ、そしてパウロ
 
吹雪の中で会った時、君は毛皮のコート
君は寒さに強くて、僕は君に暖められた

そして別れ

しかし、君の印象的な茶色の目
優美な鼻筋
頬のうぶ毛の輝きを
僕は忘れたことはない

僕は君をホームで待っている
早朝だ、今は夕暮れではない
日の光に映る全ての形が違っていることからそれは明らかだ
その時、ビルのガラスの反射の眩しさを受けて僕は悟ったのだ
君との恋は終わったのだということを

君が来ることを知ってからの七日間
僕は幸福だった
僕は思い出し、君もまた思い出の中にしかいない

僕はどこに行くとも知れぬ電車に乗り込みうとうとと眠りはじめた

「山城合戦」
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