<詩「あるなんでもない日」、「白き神の抱擁」、「婚礼」、「カフェ」「君の来る日」、「山城合戦」、「冬.../タカンタ、ゴロキ、そしてパウロ
立が夕暮れを見捨てるころ
小さなカフェに入る扉の向こうで
忙しく働くきみが見える
記憶の流れが時間に逆らう
束の間の戯れ
かつて幼き年に雪は今のように
降り積もって
屋根を白く光らせ
きみとぼくは校庭をかけた
冬に近い雨の日の帰り道
ぼくは街路樹の木の葉の秘密を
解きたいと考えていた
その時、きみがカフェに入る姿を
見かけたのだ
思い出のベールが剥がされてゆく
痛みをぼくは感じ
きみの入れた珈琲に口をつければ
心は蒼い水に溢れる
薄れた遠いころを語りかける眼に
きみの記憶が蘇る人間的な瞬間に出逢えば
ぼくは心の白さを露わにするだろう
た
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