<詩「あるなんでもない日」、「白き神の抱擁」、「婚礼」、「カフェ」「君の来る日」、「山城合戦」、「冬.../タカンタ、ゴロキ、そしてパウロ
 
の日か空を歩こう きみといっしょに

「白き神の抱擁」

白い思春期のもとで
恋が燃えさかりすべてを輝かせていた
あなたとわたしがもたれていた紺碧の空よ

あなたの愛は子どものように破廉恥に似ていつも笑っている

あなたの黒髪の煌きが光を掻き乱すなかで
わたしは木の葉の海で空色の風を感じ
永遠が歩む瞬間の狭間で
身もだえする豊満なあなたの背中を抱いていた

叢は戯れあなたは無垢にかえり
わたしはあなたのあらゆるところに接吻をし
あなたの吐息のような声を聴くと
時を超えた幼い夢が心をかけめぐり
かすかな谺が林のなかに響きわたり
紅い唇が空を引き裂いてゆく

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