人と触れ合える人生/ふじりゅう
テを研ぐ
彼女は女性という自認を剥ぐ
彼女はゴジラの業火の様に叱責する
人と触れ合える人生を贈りたかった
カタコト バスに乗せられて最後
たんぽぽがゆらゆらと手を振っていた
始めて訪れたバス停でもない場所
砂利道のぼこぼこがやけに自己主張していた
それから とりあえず本を読んだ
そしたら 今までの私を全部否定された
それから 虫取り網を片手に
年甲斐もなく セミを捕まえに行った
それから 先は記憶が無い
人と触れ合える人生を送りたかった
人と触れ合える人生を贈りたかった
人と人が触れ合える地図を渡したかった
そこにはきっと あらゆる私の逆張りの道筋が書い
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